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第296号:2001年06月05日(火)発行 (181) |
最近扱う事件のタイプ Part1
弁護士 奈良橋 隆 |
〔お尋ね〕
バブルがはじけて10年以上経ちました。不景気不景気と言われていますが、弁護士さんはこの不景気の中、どんなタイプの事件を扱っているのでしょうか。
〔お答え〕
1 私は、新潟地方裁判所新発田支部管轄内の事件が多いので、私の経験が県内の一般的な弁護士の扱う事件と一致しているとは限りませんが、最近扱っている事件で、まず一番多いものは、任意整理と自己破産です。次に多いのは、離婚事件それから境界確定事件等でしょうか。任意整理、自己破産が多いのはやはり長期化する不景気のためでしょう。離婚事件は不景気と関係ないわけではないと思いますが、時代の流れというものでしょうか。境界確定事件は、もともと都市部よりも農村部の方が多いようです。農村部では土地が比較的広いせいか逆に境界杭等がない場合が多く、トラブルになりやすいようです。
2 ある程度具体的に説明しますと、任意整理とは、個人の場合も法人の場合もあり、約束どおりの条件で支払いができなくなった場合に、弁護士が介入して支払条件の変更や債務の減額交渉をする場合を言います。通常は、資産よりも借金が多いので途中で交渉が行き詰まり、自己破産に方針を変更する場合もないわけではありません。債権者の顔ぶれを見ると、住宅金融公庫、銀行などの金融機関から、消費者金融、クレジット会社、商工ローン等の業者から友人知人等いろいろです。弁護士が、負債整理をするときは、これら債権者の顔ぶれ、数、負債額、それから依頼者の資産状況、収入、家族構成等を考えて、自己破産か任意整理か、任意整理としてその整理方法(一括払いか分割払いか等)を検討することになります。最近では次のような事例がよくあります。家族4人(妻専業主婦、子2人)の会社員で、10年前に住宅ローンを組んで家を購入しました。ところが、長引く不景気のため、給料は思ったように上がらず、ボーナスもほとんどもらえない状況になった上、子どもが成長し、学費もかかり、ついには、生活費に窮し、消費者金融等から借入するようになり、雪ダルマ式に借金が膨らみ、困って弁護士のところに相談に来るようなケースです。10年以上前には、消費者金融からお金を借りる人は定職に就いていない等、銀行から借入をできないような人が多く、まじめに生活し、住宅ローンが組めるような人が、消費者金融からお金を借りて返済に困るようなことは珍しかったのですが、最近は逆に前述のような例のほうが多いくらいです。
3 また、離婚事件についてですが、以前は、離婚原因は「不貞・暴力」、争点は「慰謝料」というタイプが多かったと思いますが、最近は離婚原因が、「性格の不一致(つまり、はっきりした離婚原因が分からない)」、争点が「親権」というタイプの事件がかなり見うけられます。
4 境界争いは、僅かな土地の範囲を争うというよりは、隣人同士の長年の確執こそが問題なのです。境界争いというよりは、生活圏争いというべきものが多いように感じられます。
5 今回は最近の傾向をご説明しましたが、次回以降はそれぞれについて、もう少し詳しく説明したいと思います。 |
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